「Think Simple」アップルから学ぶ熱狂的哲学10個の教え

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複雑になってしまう物事をシンプルにするにはどうするか。シンプルの熱狂的信者であったアップル(主にスティーブ)から学べることは多いでしょう。

この記事では「Think Simple ―アップルを生みだす熱狂的哲学」について琴線にふれた内容をまとめました。この本を読めば、あなたの中にある「シンプル」の意味が変わることでしょう。

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1. Think Brutal 容赦なく伝える

はじめて、著者(アップルの広告代理店)がスティーブ・ジョブズに会ったとき、こう言われたそうです。「君たちの作ったTVコマーシャルは良かったよ、でも紙の広告はクソだった」と。それも、とても親しげな笑顔で。

けれど著者はその言葉に悪意を感じませんでした。彼は単純に著者に対して素直なのだと分かったからです。素直さはシンプルであり、あいまいな言い方は複雑になります。

しかし、この素直さをいつでも実行できる人はほとんどいません。状況によって正直でいることは苦痛になります。私たちは他人の感情に気を配りたいと思うし、空気を壊す人間にはなりたくないと思うからです。

しかし、スティーブにはそれは関係なく、相手が敵でも友人でも真実は変わりのない事実です。ビジネスにおいて複雑さは余計な時間・コストがかかります。

人を不快にさせたり、陰で悪口を言われたりすることがあっても、もっとよくできることが分かっているときは、これでいいかと自分を納得させてはなりません

2. Think Small 少人数で取り組む

アップルでは会議に参加する人数が5人程度と極端に少ないそうです。

ある日、会議の席にアップルの一人として知らない女性が座っていました。時間通りにスティーブが会議に入ったとき、一同を見回して「君は誰だ?」と訪ねました。彼女が「今回のプロジェクトに携わっているので、参加するようにいわれました」と答えると、「この会議に君は必要ない、ご苦労様」と追い出されたそうです。

参加者の数が増えれば、複雑さも席に座らせることになります。シンプルを守るには、参加者の規模も守ること。そして部屋にいるものはすべて理由を持っているべきであり、情けで招待するようなことがあってはなりません。

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3. Think Minimal ミニマルに徹する

ジョブズがアップルを追い出されて、戻ってきた時、アップルの製品ラインナップは大きく増えすぎていました。あらゆるユーザーに応えるため、あらゆる数の製品を作り出していたのです。

ジョブズはこれらのラインナップをシンプルに4つに絞りました。ノートブック、デスクトップをそれぞれ消費者向けとプロ向けの2つのみです。ユーザーは選択肢が多いほど、迷います。シンプルにすることで、選びやすくなったのです。さらに、このことで多くのモデルをサポートするために使っていた数百万ドルを節約できました。

4. Think Motion 動かし続ける

あらゆるものごとには最大限の効率で最高の結果が得られる「完璧」なスケジュールがあります。時間が十分にあると余計なことをします。たとえば人々は見直しをしたり、手を加えたり、再考したり、新たにメンバーを入れたり、よそから意見を求めたり、テストを実行したりします。

5. Think Iconic イメージを利用する

ボタンはひとつ。シンプルさの正式なシンボル「1」は疑いもなく、人間が発明したもっとも単純な数字です。単純だから子供でもわかるし、1から離れるほど、複雑になっていきます。それが理由でスティーブはiPhoneのボタンをひとつにすることに決めました。

iPhoneが登場する前のスマートフォンは、大量のボタンがついていて覚える努力が必要でした。一方、ボタンを一つにすればシンプルさは努力を必要としません。

しかし、考えてみてください。当初、ユーザーがiPhoneでもっとも利用する機能は、インターネット、電話、iPodの3つでした。3はとても小さい数字で、設計の時にボタンを一つではなく3つにすればいいではないか、という考えが出てもおかしくありません。従来のスマートフォンと比べても、少ない数字です。

それでも3は1よりも多いのです。3つでもほぼ完璧な製品となったはずですが、アップルは「ほぼ」とは取引をしませんでした

6. Think Phrasal フレーズを決める

iMacの当初の名前は「MacMan」で決まりそうでした。しかし著者は別案の「iMac」を提案しました。頭の「i」はMacがインターネットに接続できることを伝えており、individual(個人の)、imagination(想像力)という複数の意味もあります。

しかし残念ながらスティーブはMacManを気に入り、このiMacの案を却下しました。次の週、また提案する機会を与えられた著者は、それでも「iMac」を提案しました。それを見たスティーブは「うん、今週は嫌いではないな」と言ったそうです。そして最終的に、製品に印刷された名前を見て気に入り、「iMac」に決まりました。

アップルがつけた製品名は劇的な名前ではありませんが、信じられない量の感覚を生み出します。iPhone、iPod、iPhotoのように「i」のつく製品のあとに作られたため、アップルの製品であることが分かります。この名前からアップルを連想できることは、強力なパワーを持っていることの証明です。

7. Think Casual カジュアルに話し合う

スティーブは巧みなプレゼンを嫌いました。3つの文章で言えることを、20枚のスライドで見せられると我慢できませんでした。彼にとって時間はそういう使い方を許さないほど貴重でした。

実際のところ、巧みなプレゼンを聞くと彼は、少しの事実しかないのにふくらませているのではないかと疑いました。アイディアそのものを考えるよりも、アイディアを見栄え良く飾ることに貴重な時間を使っているのではないかと。

8. Think Human 人間を中心にする

アップルは初代iPodの説明をするのに、5Gバイトのドライブを搭載した、重さ185グラムの音楽プレーヤーとは言いませんでした。シンプルに「1000曲をポケットに」と言っただけです。

2004年のビジネスウィーク誌で語ったスティーブのインタビューがあります。「プロセスによって効率を上げることはできる。しかし、イノベーションは人が廊下で出くわしたり、夜の10時半に電話をかけあったりすることから生まれるのだ。」

9. Think Skeptic 不可能を疑う

ある日、3日後に新聞に掲載する予定の広告についてアップルの弁護士からメールをもらい「問題がある」と言ってきました。代理店側の弁護士、そしてスティーブからはOKをもらっていました。

問題の広告は、新型PowerMacintoshの方が、インテルプロセッサ搭載の最速PCよりも性能がいいことを、テストの結果を示してアピールしたものでした。これでインテルから訴訟を起こされる可能性があると、職務として弁護士は伝えたのです。

そして著者がスティーブにこのことを伝えると、数分後にメールが届きました。

「弁護士などクソくらえ」

専門家の意見だからといって全てを受け入れるのではなく、判断材料として使うべきだということです。スティーブは自分のビジョンに忠実だし、自分の判断を信じていました。弁護士の意見を大いに尊重しても、弁護士がマーケティングのニュアンスまで汲み取ることや、ひとつの具体的判断に関しては考慮すべき、すべての事柄を知っていることを期待していなかったのです。

10. Think War 戦いを挑む

自分のアイディアを前進させる時には、チャンスは全て使わなければなりません。やりすぎてもいいくらいに。自制することなく、武器庫にある最も破壊力がありそうな武器だけを使うことが、自分のアイディアの生存率を高くします。

戦いを挑むのは「複雑さ」。複雑さと戦うときに、けっして互角でいいとは思ってはいけません。辛勝よりは圧勝の方がはるかに説得力をもちます。それは将来の戦いにも影響を及ぼします。

多くが陥るシンプルの罠

この本を読むまでは「シンプル」の意味を勘違いしていました。それはシンプルとは減らすことだけではなく、考えぬかれて削ぎ落とされてシンプルになるということです。あきらめずに、考え抜くということ。そしてそのためには妥協しない。ということ。この究極こそが「シンプル」と呼ぶべきものだと思いました。

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プロフィール

入江 慎吾
自分が作ったサービスで生きていく。同じゴールを目指すサービス開発集団「入江開発室」を運営(現在約280名) / 個人間スキルシェアサービス「MENTA」は1ヶ月と10日で売上100万円を達成。1日で100社が利用した「JobTag」など多数開発
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