超一流コピーライターのすごいメモ術

サントリーの「伊右衛門」や「ザ・プレミアム・モルツ」、日産自動車セレナ「モノより思い出」、ライザップなどのコピーライティングを手がけた小西 利行さんの「すごいメモ」を読みました。内容は超実践的で、すぐに取り入れられるものばかりで参考になりました。
メモは時間がたつと腐るもの
どんなメモでも時間がたつと腐るもの。ほとんどの人は書いた時の記憶を忘れてしまうからです。なので、忘れることを前提にしてメモに優先度の情報を入れたりして、後から読んでもわかるメモを作る方法が書かれています。
実践内容も難しいものではありません。例えば、メモに日付を書く。ということ。これって聞くだけだと当たり前じゃない?なんでそれが重要なの?と思うかもしれません。私もそう思いました。
筆者がいうにはこれを続けていくと情報の再会が起こるとのこと。例えば、仕事をしているとアイディアに困ることがあります。そこで効果的なのが過去のメモを見返すこと。過去に「面白い!」と思ってメモした情報を探るわけです。
そこで、精度を上げるために過去の同じ日付前後のメモを見返します。そうすると、過去の自分が同じ月、同じ季節、同じ気温、同じ行事の時に感じた情報に出会えるというわけです。筆者の事例をひとつ。
私は昔、次のようなメモを書いたことがありました。
「焼かない。焼けない。女子が大好きな言葉。」
これは7年程前に「今年は焼かない」というセリフをたくさん聞いた時にメモしたものです。そして、その翌年の冬、広告制作の依頼がきました。商品は夏にイオンから発売される機能性Tシャツ。機能のなかでも「UVカット機能」は強みでしたが、他社もいろいろな機能を打ち出していたので、そのままでは情報が埋没してしまう懸念がありました。
季節は冬、私は夏のイメージがなかなか思いつかず、悪戦苦闘した結果、困り果ててメモを見返しました。探した日付はそのTシャツが発売される予定の5月前後。そして、そのメモの中で「焼かない」という言葉と再会したのです。
「焼かない」という言葉は、夏前に化粧品業界がこぞって使うもの。その言葉を使うことで、他の商品の広告との相乗効果が生まれ、この「焼かないTシャツ」は、夏の流行のひとつになりました。雑誌にも「焼かない商品」として取り上げられ、その年、そのUV対策Tシャツは130万枚を売上、大ヒット商品となったのです。
目標を言い換えて、イメージしやすいアイディアを考える
目標を言い換えて、イメージしやすく変換する方法です。
例えば、「30代女性に売れる新商品をつくる」
↓
「それは本当に、30代女性に売れる新商品か?」
に変える。こちらの方がイメージしやすくありませんか?
「それは本当に、○○するか?」と言い換えるだけ。
このほか、本の目次はこんな感じで、14個のメソッドが紹介されています。
【人生を変える14メソッド】
1 3つの「◯」:最もシンプルで強力。大切な気づきを与えてくれる小さな記号
2 矢印「→」:バラバラの情報に秩序を生み出す、超すっきり整理術
3 記号:たった3秒で、仕事の効率を3倍にする5つの武器
4 吹き出し:考えるスピードをグッと早める、考え方のレシピ
5 デジメモ検索:欲しい情報にたどり着く、必要なアイデアに出会えるメモ術
6 ハードルメモ:課題を生み出し、アイデアを生み出す、思考のハードル
7 マンガメモ:ビジュアルとセリフで、アイデアのゴールをつくるメソッド
8 ブラック三角メモ:不平不満から「隠れニーズ」を生み出す最強の三角形
9 ホワイト三角メモ:1時間で100のアイデアを生み出せる究極の三角形
10 つなぎメモ:こんがらがった情報から答えが見つかる、そのままプレゼンできる
11 あまのじゃくメモ:逆から考えて強いアイデアを生み出す、イタズラ思考術
12 『見出し』メモ:たった1秒で読みたい情報をつくる。人に伝わるメモ術
13 ズメモ:3つのズで、難しい情報もすっきり伝わる。バッチリわかる
14 スピーチメモ:書籍タイトルでスピーチがうまくなる、驚きのメモ術
私の好きな伊坂幸太郎さんの小説のアイディアをまとめる話もあって、読み応えがあります。何度も読み返して、自分の仕事にも取り入れたいと思います。
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