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MENTAを退任します!

2018年6月にMENTAをオープンしてから、約5年が経ちました。自分でも驚くくらいのスタートを切って走り続けた日々でしたが、このタイミングでMENTAとしての責任者を交代させていただくことになりました。

真剣にサービスと向き合った5年間

これまでにたくさんの個人開発をしてきたものの、受託開発をやめ、本腰を入れてサービスをつくることははじめての体験でした。

MENTAは自分自身のプログラミング学習体験から立ち上げたメンターサービスで、思い入れも強いサービスです。運営を続けていく中で、うれしいことも、しんどいこともありました。

使ってもらったユーザーからの喜びの声を聞くのは励みになりました。実際にお礼のメールを直接いただいたこともあります。また、自分自身もメンターとして活動し、いろんな方の相談にのるという体験はやりがいもありました。

一方で収益が上がらなければ終わってしまう、そんな緊張感の中、毎日データを見つめながらハラハラする日々を過ごしてきました。

2020年10月からはランサーズグループにジョイン。0→1から1→100に挑戦してみたい。そんな思いでスタートしました。組織で働くこと、チームでモノをつくること、その難しさもやりがいも経験することができました。最初の1年目はチームをうまくまとめることができず、思ったような成果もだせず苦労したことも、苦いですが勉強になりました。

プロダクトの運営はなんでもありです。何をやるかも自由に決めることができる。でもその分、うまくいくことといかないことがはっきり結果として返ってきます。そしてリソースは有限です、やることのみにフォーカスして、やらないことをビシッと決めることが大事です。

そのために日々のデータがあります。蓄積されたデータから傾向を分析したり、実行したことの結果を確認したり。また、100名以上のユーザーさんにも直接インタビューさせていただきユーザーの求めることを考え続けました。ニーズがわからなければ、打ち手も考えられません。打ち手に困ったときというのはユーザーの解像度が低いから。

そのほかの学びもありました。それはプロダクトを改善しようが、市場の流れにそったものでないと成功させるのは難しいということです。すでに発生しているニーズにどうマッチさせていくかはとても大事なことで、自分たちのプロダクトだけでなく、外にも目を向けて感度を高めてなくてはなりません。

市場にあわないプロダクトになってしまえば、どうあがこうと成長は難しい。その意味では、プロダクトも常に変化が求められる厳しい世界です。しかもそのサイクルは年々早くなっています。

ランサーズグループに入ってからの直近の3年間ではこのようなことを学びました。結果、MENTAはといえば、1→100には及ばないものの、ジョイン前に比べて売上やユーザー数を拡大することができました。本当に学びが多い経験をさせていただき感謝です。

生成AIの衝撃

その中でおとずれた2023年、ChatGPTの登場です。はじめて使った瞬間から興奮がとまりませんでした。毎日進化もはげしい。次に出てくる情報が気になりすぎて、一時は3時に飛び起きてチェックしていました。

それまでにメタバースやブロックチェーンなど新しい次世代のトピックはでていたものの、まだ具体的な実用イメージは湧いてこず、なかなか興味を持つことはなかったのですが、今回のAIの進化はiPhoneが出てきたときと同じくらいの衝撃でした。

ここ数年間はチームで開発を行っており、僕の役回りとしては全体の戦略からタスクを決め実行し、次位の打ち手を考える、といったプロダクトマネージャー的な仕事だったのでプログラミングからは距離が離れていました。

しかし、エンジニアにお願いするようにChatGPTに仕様を固めてもらったりコードを書いてもらったり試していくうちに「これは自分で開発しても、ものすごいスピードで開発ができるのでは?」と思い、実際に試したところ、体感としては少なく見積もっても通常の開発の3-4倍は早いスピードで開発ができたのでした。さらには自分だったら勉強しても難しい技術の実装もできました。

自分はひとつの技術に特化したスペシャリストでもなんでもないですが、この業界で20年開発してきているのでどんな技術があるとか、どういうものを使えばいいとか、そのあたりの勘所はあるつもりです。そのようなジェネラリストがChatGPTを使うととても相性がいいです。良い悪いの判断がつくのでハルシネーションがあっても気づきます。

その流れでサイドハッスルとして、いくつか実験的なプロダクトもつくってリリースしました。

GPTを使えばそれまでに自分が扱ったことがない言語でも開発ができます。プログラミングの基本を知っていれば、GPTのサポートをつければ怖くありません。そういう意味で技術的な障壁もなくなりました。

ますますサーバーまわりやライブラリ、フレームワークも充実している昨今、さらに生成AIが登場したことで、1人で10人分の働きをすることも現実となっています。AIをアシスタントとして雇用しているような感覚で、会社をつくった感覚でものづくりができるようになっています。革命的です。

このようなことを通して、やっぱり「自分はゼロから何かをつくるのがとても好きだ」と思いました。0→1も1→100も体験してみたことで、それがはっきりとわかったのでした。AIクリエイターとして、世界を驚かせるようなプロダクトを作ってみたい

Lancers LLM Labsを立ち上げます

そのような中で、Lancersとしてもこの大きな波でありチャンスでもあるLLMに力をいれて取り組んでいきたいという流れが起き、Lancers LLM Labsを立ち上げることが決まりました。そして僕の方へVP of GenerativeAIとして就任オファーをいただき、正式にこの8月からスタートすることが決まりました。

正直、とてもワクワクしています。自分の時間をフルにLLMおよび生成AIに使って、新しいなにかを生み出すことに集中していきます。

>> ランサーズ、生成AI・大規模言語モデル(LLM)の専門チーム「Lancers LLM Labs」を開設

MENTAの今後について

このような背景から今後はあらたに中野渡 桂(なかのわたり けい)さんに引き継ぎさせていただくことになりました。僕は新しい何かをつくることに関心が強く、また得意だと思っていますが、MENTAはこのフェーズではありません。中野渡さんは僕よりもマーケティング、粘り強い思考を持っており、ここからのMENTAに適任だと思っています。

とはいえ、同じLancersグループの中にいますし、これからもMENTAを裏側からサポートし続けます。すでに今後の計画もぞくぞくと決まっているので、今後のMENTAの進化、MENTA2.0にもご期待いただければと思います。

最後に、LLM関連でなにかお話してみたいだったり、オファーがありましたら、まずはお気軽にお問い合わせください!

 

 

 

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PROFILE

入江 慎吾
個人開発クリエイター。MENTAなどをはじめ、これまでに30個ほどのサービスやアプリをつくりました。最近は生成AIに夢中。コンサル、開発のご依頼はこちらまで。 (詳しいプロフィール)

カテゴリー: 学び